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(株)アセットコミュニケーションズ
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お知らせ

マンション管理DXフォーラム2026 登壇レポート-AI管理人×BMクラウドによるマンション管理の未来

2026年2月26日(木)、一般社団法人不動産テック協会主催のもと、「マンション管理DXフォーラム2026」が開催されました。官・産・民・技術が集結する本フォーラムは、マンション管理業界が直面する「人手不足」「業務の属人化」「入居者対応の高度化」といった課題に対し、DX・IT・AIをどのように実装し現場で活かしていくかをテーマに、複数の事業者・専門家が登壇する注目のイベントです。

このたび、弊社代表の近藤統嗣が「AI管理人×BMクラウドによるマンション管理の未来」をテーマに登壇いたしました。本記事では、その講演内容をレポートとしてお届けします。


マンション管理が直面する「構造的課題」

マンション管理が直面する構造的課題は、大きく二つです。 建物の高経年化(築40年超が約3.5倍に急増)と、生産年齢人口の減少(2050年にはピーク比約36%減)による担い手不足という「二重の老い」が深刻化しています。従来の現場人海戦術モデルはすでに限界を迎えており、省人化・無人化に向けた取り組みが業界全体の喫緊の課題となっています。


現場の声から見えてきたニーズ

課題の実態を把握するため、弊社では今年、管理組合の理事長20名を対象としたロングインタビューを実施しました。「理事会運営の立場から、どのようなデジタルサービスに期待するか」という問いに対して、現場から挙がった主なニーズは以下の通りです。

  • ナレッジ化・検索機能:蓄積された情報を誰でも引き出せる仕組み
  • 申請・予約・手続きの自動化:煩雑な事務作業の削減
  • ノウハウ・運営の継承:ベテラン理事長の属人ノウハウを組織知として残す仕組み

こうしたニーズは、他の登壇者や参加者の皆さんも日々実感されているものかと思います。

インタビュー記事を読む

見過ごされがちな「ロングテール業務」の存在

インタビューを通じて、もう一つ重要な課題が浮き彫りになりました。それが「ロングテール業務」です。

マンション管理の現場には、棟ごとのローカルな事情・個別対応・スポット対応・例外処理が無数に存在します。ゴミ出しルール、ペットに関する規約の細則、そして総会規約には明文化されていない「暗黙のルール」まで、一棟一棟で異なる慣行や取り決めが積み重なっています。

こうした多種多様な個別業務こそが、マンション管理DXを難しくしている一因です。汎用的なシステムだけでは対応しきれない「ロングテール」が、現場には確実に存在しているのです。


マンション管理DXは「超難問」である

マンション管理には、複雑な関係当事者(居住者・理事会・管理会社フロント・本部・BMの元請・協力会社など)、多層な構造多様なシステムが絡み合っています。業務範囲が広く突発事項も多いため管理が煩雑になるうえ、現場運用がアナログ依存のため周辺業務が属人化するという構造的な問題も抱えています。

特に注目すべきは「人がシステムを学習して利用→挫折」というパターンです。どれほど優れたシステムを導入しても、現場の実態に合わなければ使われません。この複雑さを前提に、すべての当事者に最適な体験を提供しなければならないのが、マンション管理DXというミッションです。

これは非常に難問です。魔法のような解決策があるわけではありません。しかしその上で、一つの重要な視点を提示します。


課題解決の鍵は「複雑さを減らすこと」

今回の登壇で最もお伝えしたかったポイントが、この方向性です。

「複雑さを減らして、次なる成長をDX with AIで」

複雑な問題を「複雑なまま包括的に解決しようとする」アプローチには限界があります。重要なのは、いかにシンプル化するかという視点を持つことです。

そのシンプル化を実現する鍵が「AIエージェントで繋がる未来」という考え方です。居住者・Xコンシェルジュ・フロント・基幹システム・BMクラウド・協力会社——これらすべてをAIエージェントで繋ぎ、業務ロジック・データ基盤をAIエージェントが入力を代替することで、甲乙丙丁にまたがる全業務・組織全体をカバーする仕組みを目指します。

特に重要なのは、居住者向けの機能と協力会社向けの機能を「点」ではなく「線」でつなぎ、最終的に「面」として機能させることです。例えば設備トラブルが発生した際には、居住者からの問い合わせ受付だけでなく、協力会社への対応依頼・スケジュール管理・費用精算まで、一連のワークフローがシームレスに動く必要があります。


二つのプロダクトによるアプローチ

上記の方向性を実現するために、弊社では二つのプロダクトを展開しています。

① BMクラウドエンタープライズ ── 協力会社管理のシンプル化

1つ目は、協力会社管理のシンプル化です。
管理の現場では、協力会社の手配・進捗・報告の集約が煩雑になりがちです。
そこでBMクラウドエンタープライズでは、協力会社の作業状況ややり取りを一元化し、現場と本部の確認・指示・把握をシンプルにします。

このビジョンを実現するにあたり、二つの大きな課題があります。

課題1:現場ワーカーの入力インターフェースの多様性 現場では、独自のバックオフィスアプリ、メール、LINEなど様々なツールが混在しています。新しいアプリをもう一つ増やすことへの抵抗感も当然あります。この問題を、AIエージェントによる統合で解決します。どのシステムから入力されても、スケジュールや報告がダッシュボードに集約される仕組みです。

課題2:基幹システムとの連携 既存の基幹システムと連携できなければ、どんな優れたツールも使われません。BMクラウドエンタープライズは、既存の基幹システムとの連携を前提に設計されており、現行の運用フローを活かしながら段階的に導入できます。

BMクラウドエンタープライズの詳細を見る

② Xコンシェルジュ ── 居住者向け体験価値の向上

2つ目は、居住者体験価値の向上です。
X Conciergeは、「棟単位のデジタルコンシェルジュ」として、日常の“困った”を受け止め、問い合わせ対応や手続き導線を整えます。

具体的には、

  • 各種問い合わせ対応、ローカルナレッジ、設備トラブルのFAQ+修理依頼

    を扱い、居住者にとっての「わかりにくい・めんどくさい」を減らしていきます。

Xコンシェルジュが最も重視するのは「棟単位・居住者目線」という考え方です。本部が管理しやすいシステムではなく、その棟に住む人にとって最適なサービスを提供することを優先します。「仮に1万戸を管理していれば、1万棟それぞれのローカライズされたデジタルコンシェルジュが必要だ」というのが近藤の考えです。各棟固有の情報や暗黙知をAIに読み込ませることで、ゴミカレンダーの自動表示から管理規約に基づいた問い合わせ対応まで、その棟ならではの対応が可能になります。

Xコンシェルジュ モニター募集中

現在、Xコンシェルジュのモニターを募集しています。実際のサービスをお試しいただける機会ですので、ご興味のある管理会社・管理組合の方はぜひお気軽にお問い合わせください。

モニター募集の詳細を見る


まとめ:「シンプル化」の視点を持つことが、DX推進の第一歩

マンション管理DXは確かに難問です。解決の糸口が見えにくく、どこから手をつければよいか迷われている方も多いのではないでしょうか。

しかし、「複雑な問題を複雑なまま解こうとしない」という視点を持つことが、前進のための重要なきっかけになると近藤は強調しました。複雑さをシンプル化する。そのためにAIエージェントを活用し、居住者から協力会社まで全体を繋いでいく。この方向性が、これからのマンション管理DXの核心になると考えています。

弊社では引き続き、現場の率直なご意見をいただきながら、プロダクトを改善・発展させてまいります。ご関心をお持ちの方はぜひ、お気軽にお問い合わせください。


本記事は、マンション管理DXフォーラム2026における弊社登壇内容をもとに作成しました。当日は会場が満席となり、業界関係者の注目の高さがうかがえました

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