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(株)アセットコミュニケーションズ
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Pet Concierge(外国人居住者版)ストーリー 


ニューヨークから東京へ。
「大型犬と暮らしたい」アメリカ人家族が、賃貸でぶつかった“見えない壁”

— 「ニューヨークでは、“犬と暮らす”ことは生活の一部でした。でも日本に来てみたら、一気に“特別なこと”になってしまって。」

今回お話を伺ったのは、ニューヨーク出身のアメリカ人・ジェシカさん(仮名)。
夫とふたりの子どもとともに、東京の都心部に滞在している家族です。—

見知らぬ国での新しい生活は、子どもたちにとってわくわくと同じくらい、不安や寂しさも連れてきました。
学校ではまだうまく言葉が出てこない。休み時間も、周りの輪に入りきれない日がある。
そんな姿を見ていると、「せめて家に帰ったときだけは、安心して甘えられる“相棒”がそばにいてほしい」と思うようになりました。

日本という新しいチャレンジを乗り越えるための、小さな味方として。
家族みんなの心の拠りどころとして。
その存在こそが、大型犬と暮らすことへの強い願いになっていきました。

しかし、そこで立ちはだかったのは「賃貸 × 大型犬」という、目に見えにくい壁でした。


1. “犬がいる暮らし”が当たり前の街から

ジェシカさん一家は、ニューヨーク・ブルックリンで暮らしていました。

「近所には犬を飼っている家族がたくさんいて、公園には朝夕いつも大型犬が集まっていました。
犬と一緒にカフェに行けるお店も多いし、家族に犬がいるのが当たり前な雰囲気でした。」

私の子どもたちは、友だちの家で一緒に遊んだゴールデン・レトリバーの存在が忘れられなかったそうです。

「ぼくたちも犬がほしい!」
「大きくて、ふわふわの犬がいい!」

そんな声もあって、日本への異動が決まったとき、夫婦で話し合ったのは
「せっかくだから、日本で犬との生活をスタートさせたいね」ということでした。


2.「ペット可」の文字に安心したけれど…賃貸ならではの現実

日本での住まい探しは、会社が紹介してくれた不動産会社を通じてスタートしました。
条件としてジェシカさんが最初に伝えたのは、「子ども2人」「通学・通勤のアクセス」、そして「将来、大型犬を飼いたい」という希望です。

ジェシカさん:「多くの物件情報には“ペット相談可”と書いてあったので、正直、楽観していました。『ニューヨークと同じくらい、ペットフレンドリーなんだな』って。」

しかし、具体的な犬種・体重の話になると、状況は一変します。

  • 「小型犬1匹までならOKです」
  • 「中型犬までなら…ただし事前審査が必要です」
  • 「大型犬は、すみません、オーナーNGです」

「“ペット可”と書いてあっても、実際には“toys-size dog only”という感じでした。
私たちがイメージしていたラブラドールやゴールデン・レトリバーは、ほとんどの物件でNGだったんです。」


3. 「犬を諦める」か「引越す」か——家族会議の末に出した答え

最初に決まったのは、「とりあえず」会社が提案した賃貸マンションでした。
立地も設備も申し分ない、しかし「ペット不可」の物件です。

ジェシカさん:「最初の1年は、子どもたちに『日本では犬を飼うのは難しいみたい』と説明していました。でも、本当は私自身も、どこかで“いつか犬を…”という気持ちを捨てきれませんでした。」

日本での生活が始まってしばらくすると、週末に家族で公園へ出かけるのが習慣になりました。
そこには、犬と一緒に散歩を楽しむ家族の姿がたくさんありました。

「犬を連れている人どうしが、自然にあいさつを交わしていて。
子どもたちも、犬をきっかけに少しずつ笑顔になっていくのが見えました。
正直、“犬がいたら、私たちもここに混ざれるのかもしれない”と思ったんです。」

外国から来て、まだ気軽に話せる相手も多くない。
そんな中で、犬はきっと「言葉より先に人と人をつないでくれる存在」になる——。
そう感じるほどに、ジェシカさん自身の中でも「犬と暮らしたい」という思いが膨らんでいきました。

「最初は“子どもたちの夢”だったのが、気づけば“私たち家族の願い”に変わっていました。」

そこで初めて、夫婦は本気で向き合うことになります。

「“日本で犬を飼うこと”と“今の便利な場所に住み続けること”。
どちらを選ぶ?と、改めて家族みんなで話し合いました。
そして最終的に出した答えは、
『犬に合わせて住まいを変えよう』というものでした。」


4. 「大型犬OK物件は、“情報”と“交渉”がセットだった

改めて物件を探してみると、

  • 「そもそも大型犬可と明記されている物件が少ない」
  • 「英語で詳細を確認できない」
  • 「“相談可”の意味が、担当者によって違う」

といった課題が浮き彫りになりました。

「ある物件は、“大型犬OK”と書いてあったのに、
実際は『共用部での移動方法』『鳴き声の管理』『追加敷金』など、細かい条件があって。
書類も説明も日本語で、正直、何を守ればいいのか不安でした。」

最終的に、現在の“ラブラドールOK”の物件にたどり着けたのは、
オーナー側と丁寧にコミュニケーションを取り、条件を一つひとつ確認してくれた担当者のおかげだったと言います。


5. やっと迎えた“家族の一員”と、日本ならではの気づかい

引っ越しから数ヶ月。
念願だったラブラドールの“マックス”を迎えたジェシカさん一家の生活は、一気に賑やかになりました。

「子どもたちは毎朝、誰よりも早く起きて散歩に行きます。
週末は、少し離れた大きな公園まで一緒にお出かけ。
日本での思い出の中心に、すでにマックスがいます。」

一方で、日本の賃貸・近隣環境ならではの気づかいも増えました。

  • エレベーターで乗り合わせた人への声かけ
    「大きな犬ですが、フレンドリーですよ」と笑顔で伝える
  • 共用部の毛・泥汚れのチェック
    気づいたときには自分で掃除をする
  • 鳴き声が出やすい時間帯のコントロール
    早朝・深夜の刺激を減らす工夫

「“大きな犬=怖い”と感じる方もいると理解しているので、
“私たちがルールを守ることで、次に住む外国人家族や犬たちが暮らしやすくなるといいな”と思いながら生活しています。」


6. 「ペットコンシェルジュ」がいてくれたら——外国人家族の本音

今回の経験を振り返ってもらう中で、ジェシカさんが何度も口にしたのは、
「最初から“ペットのことがわかる人”に相談したかった」という言葉でした。

「賃貸のルール、オーナーが心配していること、日本のマナー…。
それを“飼い主目線”で説明してくれる人がいたら、
こんなに不安にならずに済んだと思います。」

もし、最初の物件探しの段階から「ペットコンシェルジュ」のような存在がいたら——。
ジェシカさんは、こんなサポートがあったら心強かったと話します。

  • 「大型犬可」の物件候補を、条件つきで整理してくれる
  • 契約書・ペット規約の英語版
  • オーナー・管理会社が気にしている点を、事前に教えてくれる
  • 鳴き声・におい・エレベーター利用などの日本独自マナーを、事例と一緒に教えてくれる
  • 引っ越し後も、「近隣トラブルを防ぐコツ」「病院・トリミング・ペットホテル」などを継続的に相談できる窓口

「“ペットOKですか?”と聞くたびに、
『また断られたらどうしよう』と緊張していました。
間にペットコンシェルジュのようなシステムがあれば、
私たち家族の希望と、オーナーや建物のルールを
フェアに“通訳”してくれたと思います。」


7. “ペットと暮らしたい”外国人にとっての、新しい安心

日本で大型犬と暮らしたい外国人家族にとって、
一番のハードルは「犬そのもの」ではなく、情報とルールの“見えにくさ”です。

ジェシカさんのケースは、

  • 「ペット可」表記の裏にある、物件ごとの細かい条件
  • 言語・文化の違いから生まれる不安
  • オーナー・管理会社との信頼関係づくりの難しさ

といった課題が、うまく“つながれば解決できる”ことを示しています。

その橋渡し役として、
入居者・管理会社・オーナー・そしてペットをつなぐ「ペットコンシェルジュ」の存在は、
これからますます重要になっていくのかもしれません。

「もし友人が日本に家族で来て、“大きな犬と暮らしたい”と言ったら、
『まず、ペットコンシェルジュに相談しなよ』って伝えます。
それが、私たちのように遠回りをしない、一番やさしいスタートだと思うからです。」