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(株)アセットコミュニケーションズ
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<独自調査>東京23区のマンション管理員条例レポート(後編)

当社では東京23区すべての自治体に対し、マンション管理員の常駐規定に関する独自ヒアリング調査を実施しました。

東京23区全区の担当課に足を運び、調べた資料の数々(一部)

<独自調査>東京23区のマンション管理員条例レポート(前編)では、マンションの建築や管理に関する条例や規制が定めれていますが、自治体によって「管理員(人)の駐在が必須(必ず人が滞在している必要がある)」の場合と「条件を満たせば機械警備等も可能(機械警備等で代替えをすることができる)」という違いがあることを紹介しました。

(参考)東京23区のマンション管理員条例に関するまとめ

表の上部に行くほど「有人が必須」となるため厳しい規定と言えます。(当社調べ:2024年10月3日現在)

<前編から読む方はこちらへ>

課題:運用チェックなし

独自調査をして分かったことは、条例等は制定されていますがマンション建設後に正しい運用がされているかのチェックはほぼ行われていないということです。前編で紹介したようにこれらの条例等にはそもそも「罰則」規定がありません。(多くの区で「建設(届出)段階のみチェック」「竣工後の運用確認なし」「苦情対応でスポット確認」という実態。維持管理報告制度を運用しているのは千代田区のみ)

「条例等はここに書かれているとおりに守ってください。でも反しても罰則はありません。運用もチェックしていません」というのが現実でした。

一方で、企業側は法令遵守を株主から強く求められていますので、条例等の規定に沿った管理体制を行おうと努力しています。しかしながら、法令を遵守したくても人材不足で人が集まらず、募集にコストがかかり、雇用コストも上がっていく・・・という現実を抱えています。これによりマンションの管理費の値上げにつながります。

千代田区の年次運用チェック事例

千代田区の運用例をご紹介しながら健全なマンション管理とは?をご紹介したいと思います。千代田区の環境まちづくり部 住宅課住環境整備係に窓口で確認したところ、年次運用チェック事例があることがわかりました。

「千代田区ワンルームマンション等建築物に関する指導要綱」の第14条に管理人に関する基準として以下の記載があります。

(3)2 管理人に代わる確実な管理業務を行うシステムを設けた時は、管理人を設置したとみなす。この場合、建築主等及び所有者は当該システムを明らかにした資料を提出する。

この詳細について担当者に確認したところ、以下の回答でした。

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システムとは機械警備等を想定しています。電話番号を建物に掲示し、電話は有人対応、駆けつけてくれるというシステムをとる場合に限って対象マンションへの滞在時間を減じてもいいです。削減する時間数に関しては、事業者で正しく管理ができるとみなした時間を減らすことが可能です。

さらに、

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システム図は必ず提出してもらっているわけではありません。誰が見てもわかるわかる場合はもらっていないがわかりづらい場合は、資料を提出をしてもらっています。

運用がどこまで遵守されているかについては、竣工の1年後から年1回維持管理報告書を提出してもらっています。まずは書類で適切に管理されているか確認し、確認が必要だと思われる場合は現場確認もしています。

千代田区は運用を年次でチェックしているという非常に珍しいケースでした。

健全なマンション管理体制とは?

千代田区の事例を参考に条例改正例を当社で作成しました。

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条文改正例(モデル条文案)

(例)第○条(管理方式の選択)

 1 管理組合又は建築主等は、当該建築物の規模、構造、設備、居住者属性及び管理方式に応じ、安全で衛生的かつ適正な管理を行うために必要な体制を整備するものとする。

 2 前項の体制は、管理員の常駐による方法のほか、機械警備、遠隔監視及び緊急出動体制等を組み合わせた代替措置によることができる。

(例)第○条(代替措置の要件) 管理員常駐に代わる措置を講ずる場合は、次の各号に掲げる基準を満たし、所定の届出書に必要書類を添付し、区長に届け出なければならない。

 ① 24時間連絡可能な一次対応窓口の設置(有人対応)

 ② 緊急時に一定時間内(例:30~60分)で現地対応可能な体制の確保 

 ③ 管理計画、巡回計画、点検記録及び苦情対応記録の作成・保存

 ④ 管理担当者・連絡先・緊急連絡先等の明確な表示

(例)第○条(維持管理報告) 管理方式に変更があった場合又は区長が求めた場合は、所定の様式により維持管理状況報告書を提出しなければならない。

マンション管理システム図は以下のようになります(例)

当該マンションと緊急時につながる有人コールセンター、そして緊急駆けつけができる体制があること。また緊急対応が行われたことが管理会社にフィードバックされる仕組みが必要だと考えます。

今後の改善のアプローチ

東京23区の自治体担当者に話を聞いたところ担当者の認識に個人差はありますが、マンション管理員が「人材不足」であり「募集しても集まらないケースがある」等の現実を把握しておらず、現場とはかなりのギャップがある、のが現実でした。

また、世田谷区が条例を改正し管理員の駐在時間の制限をなくしたという事例を知っているところはほぼありませんでした。つまり、現場は困っているがその声は全く届いていない、という現実に直面しました。そして条例等の管理員の部分の改訂への動きも全くと言っていいほどありませんでした。

そこで、マンション管理のシステム化による 「管理員常駐規定」の撤廃又は代替措置規定の追加に関する要望書を作成し、提案しています。

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