首都圏自治体の管理員設置条例詳細レポートの記事でお伝えしましたが、首都圏の自治体ではマンションの建築や管理に関する条例や規制が定めれており、管理員はマンションの戸数によって「定期巡回・4時間駐在・8時間常勤」等の基準が定められています。
東京11区(港区、中央区、千代田区、渋谷区、目黒区、台東区、豊島区、文京区、新宿区、中野区、品川区)の「マンション管理人設置基準」はおおむね以下の基準となっております。
・30戸未満 定期巡回
・30~50戸 4時間駐在
・50戸または100戸以上常勤
ただし、弊社の現場ヒアリングに基づくと、こういった基準が現実に適合しないという認識を持つ自治体担当者も増えてきています。
管理員不足が深刻化する中で、企業側は条例の遵守が求められ、管理員の確保に苦労しているという現状があります。
弊社としては、条例改正や条例の運用ルールを踏まえ、システム等による対応による有人のみではない対応ノウハウを構築しています。
世田谷区が条例を改正
その中で、今年度「世田谷区建築物の建築に係る住環境の整備に関する条例」が改正になり、2024年6月1日付で施行されます。改正前・後の違いは以下となります。
今回、世田谷区役所に直接訪問し、担当者にヒアリングを行いました。
新しくなったばかりの世田谷区役所へ
<ワンルームマンション建築物・長屋に関わる規定の見直し>
(条例第21条、第23条、規則第20条、第21条)
出典:世田谷区建築物の建築に係る住環境の整備に関する条例を 改正しました(令和6年6月1日施行)
実質、管理員の滞在時間の規定がなくなったことになります。
世田谷区の担当者(都市整備政策部 建築調整課)にて確認したところ、以下のような回答を得ました。
一般的にマンションの管理員に求められている役割としては、「ゴミ出し」と言われるマンション敷地内のゴミ置き場から自治体が指定するゴミ置き場までのゴミの移動、そしてマンションの設備等に何かあった時の対応、ということがポイントになっているようです。
世田谷区の条例改正は、管理員不足が背景ではないということでしたが、現場の声を踏まえた非常に意義のある改正であると考えます。マンション単位で戸数や共有設備等の条件は異なりますので、現場に適した管理がされることが重要です。このような現場や時代背景に沿った改正が自治体でも設定されることを望みます。
当社では、「AI×施設管理の未来」を推進しています。
世田谷区の条例改正を踏まえたビルメンテナンスの提案をさせていただいております。
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