会社概要
Constrafor社は2019年にニューヨークに設立された建設業界向けのSaaS企業です。同社は特にゼネコンと下請け業者を対象としており、前者に対しては契約やCOI(Certificate of Insurance =保険証書)、請求書の支払いに加えて下請け業者の管理などの機能を提供しています。また、下請け業者に対しては主に請求書の支払い管理や請求の早期支払いプログラム(ERP)などのスピーディーな融資サービスを提供しています。同社はProcore（プロコア）社やAWS社、NVIDIA社、Compass社など不動産テック企業やその他IT企業との連携関係にあります。
ゼネコン向け主要サービス
請求・支払い管理
Constrafor社の特徴的な機能が特に請求・支払い管理における「早期支払いプログラム(EPP)」です。このEPPは年間収益が3億ドルを超えるようなゼネコンを対象として、Constrafor社の信用供与契約(credit facility)を通じて、下請け業者に早期に資金を提供することができるようになるというものです。
これによって下請け業社が収益サイクルを短縮できるようになり、資金調達コストを削減できるため、ゼネコンとの契約における財務リスクを軽減させることができます。
また、このEPP以外にも請求書をダッシュボード化する機能があるため、請求書と支払いのステータスを追跡することができます。この機能によって、下請け業者からの請求をスピーディーな確認・承認が可能です。
契約管理
顧客や下請け業者との契約に関する全ての書類をクラウド上に保存、管理、追跡が可能であり、全てのアクターが簡単に電子署名できるサービスを提供しています。また、Constrafor社による契約書類のテンプレートを用いることで顧客・下請け業者との契約をスムーズに行うことができます。
さらにプロジェクトごとや下請け業者ごとに契約に関連した支払いや請求書を紐づけられるため、両者の契約や予算に関するコミュニケーションを円滑なものにします。
COI(保険証書)管理
同社のツール内でCOIのリクエストやその更新通知の自動化、承認の管理やリアルタイムのレポートの追跡を全てクラウド上で行うことが可能です。
また、プロジェクト管理ツールであるProcoreやSage、Vistaなどのソフトウェアと連携させればプロジェクトごとの詳細がConstrafor社のツールにおいても同期されるため、常に正確なデータに更新され続けます。
下請け業者向け主要サービス
早期支払いプログラム(EPP)
ゼネコン向け主要サービスでも説明したEPPですが、この機能はまさに下請け業者にとって極めて魅力的と言えるでしょう。上述の通り、EPPとはConstrafor社を介して下請け業者がゼネコンに請求するお金を通常よりも早く取得できるようになることで、下請け業者の財務リスクを軽減させるというものです。
下請け業者はこのEPPを利用するプロセスは、①ゼネコンからの承認を受けた請求書をConstrafor社に提出し、②Constrafor社との信用供与契約に電子署名を行い、③48時間以内の早期支払いを所定の口座を通じて受領するという3つに分かれており、スピーディーに支払いを受けられることがわかります。
売掛金処理
Constrafor社のサービスを用いることでキャッシュフローの視覚化やゼネコン各社からの請求書の統合が可能となります。まずキャッシュフローの視覚化について、概況やポートフォリオをダッシュボード上で一目で確認できるようになっているため、今後の支払いを正確に計画することができます。
加えて、発注やそれに関連した注文の変更点など署名した請求の進捗状況やステータスをリアルタイムで追跡することができるため、キャッシュフローを明確なものとなります。また、様々なゼネコンからの請求書をクラウド上の同じ場所に保管できるため、全ての情報を統合して今後の財務状況を予測することができます。
