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【建設テックのトップ企業】米プロコア社とは?

海外不動産テック分析スライド

建設業界に対してバーティカルSaaSソリューションを提供しているProcore(プロコア)社。本記事では、国内外の不動産・建設分野のSaaS系企業から今最も注目されている同社の事業内容やビジネスモデル、今後の展望分析などをお伝えしていきます。


会社概要

Procore Technologies(プロコア テクノロジーズ)社は2002年に現CEOであるCraig Tooey Courtemanche氏が創業したアメリカはカリフォルニア州カーピンテリアの建設管理ソフトウェア企業です。同社は建設事業者や土地・不動産オーナーなど建設プロジェクトの関係者がデジタルプラットフォームを通じて、プロジェクト実行に向けてたあらゆる業務を効率化させることに取り組んでいます。2021年5月時点で、世界中で160万人以上を超えるユーザーが製品を利用しています。

ミッション

to connect people, applications, and devices through a unified platform to help construction professionals manage risk and build quality projects—safely, on time, and within budget.

プロコア社のミッションを意訳すると「建設のプロたちが安全・時間内・予算内に質が高くリスク管理できているプロジェクトを実行することを助けるために、統合的なプラットフォームを通じて人・ソフトウェア・デバイスをつなげる」こととなります。

取り組む課題

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プロコア社が目をつけたのは従来からDXが遅れているとされる建設業界でした。その中でも社は業界全体の傾向としてデータの携帯性が限定されていること紙媒体での業務の多さ不完全な自社運用システム各システムの統合が進んでいないことに特に着目し、サービス展開を始めました。

ビジネスモデル図解

強み

連携可能なツールが豊富

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プロコア社が提供するサービスの一つ目の強みは、その拡張性にあります。サービス利用者も開発者に対してもAPIへのアクセスが無料であるため、GmailやOnedrive、Microsoft Azure、oracleなどを含む250以上のアプリケーションと連携することが可能になっています。実際に利用者の8割以上は一つ以上のツールと連携させているなど、この拡張性を有効に活用していることが分かります。

建設業務の上流から下流までをカバー

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建設、と一口に言ってもその業務範囲は多岐にわたります。こうした広範囲の分野に対してプロコア社は包括的なソリューションを提供しています。例えば、建設前にはチーム組織や提案依頼書と連携した事前準備業務の効率化、建設プロジェクトや人員、資材、請求書や財務関係のマネジメントなどを提供しています。こうした建設業界へのバーティカルなサービスを展開できていることが同社の二つ目の強みです。

独自の料金設定

プロコアの価格は、製品をどの程度使うかという点と建設の量によって決定されます。Procoreを利活用して実施する建設プロジェクトが多いほど、コスト削減、効率、生産性の向上という点でソフトウェアから得られる価値が高くなります。従って同社はアカウントごとの課金ではなく、機能と利用量に応じて請求しています。

SaaS製品が一般的にアカウントを追加していくことに対して料金を設定するのに対して、同社は無制限アカウント作成や無制限のストレージを提供しています。これはプロジェクトチーム全体を同じプラットフォームで共同作業することを可能にし、ユーザーライセンスを管理したりアクセスを監視したりする必要をなくします。

こうした独自のプライシングこそが大量の関係者を巻き込み、大規模なプロジェクトを企画している事業者や土地オーナーから好評を博しています。

マーケット

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近年の成長

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上図から分かるように、売上と顧客数の双方が成長しています。上図右の、顧客数を表すグラフでは2018年から2021年第1四半期にかけておよそ1.7倍に増加しています。また上図左の売上を表すグラフにおいてもコロナ禍においても2020年から2021年にかけて堅調に成長し、1年で23%も伸びていることが確認できます。このように売上・顧客数が順調な成長を続けている理由は、それまでのDX需要に加えて、コロナ禍によるリモートワーク下でのプロジェクトマネジメントにおいて、なおさらデジタルプラットフォームへの需要が高まったからだと考えられます。

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上図は左から売上に対する割合としての営業総利益、営業費用、営業利益の2018-2021年第1四半期の推移を表したグラフです。グラフで示されている大きな傾向としては①売上原価が相対的に逓減している②販管費が2020年以降大きく減少③営業利益も堅調だと確認できる値を示しています。これらの値(◯◯%)はあくまで売上に対する割合であって、純粋な数量的な成長を表してい表している訳ではないということには注意が必要ですが、全体としては好調な状態だと考えられるでしょう。

利用企業

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以上のような企業がプロコア社の顧客の一例です。同社によれば、2020年末時点で顧客(法人)数は1万を超え、世界125カ国以上でプロコアを通じた建設プロジェクトが実行されているようです。また、同社の特徴としてARRが10万米ドルを超える企業が顧客の約10%を占めています。こうした割合が高い理由は、無制限のアカウント追加や無制限データストレージというプロコア製品の強みが、特に多くの関係者を巻き込む大企業に大きなメリットを与えるからだと考えられます。

経営陣紹介

Craig Tooey Courtemanche氏 CEO

Craig Tooey Courtemanche氏は、プロコア社の創設者、社長、CEO、および取締役会会長です。1996年から2001年まで、Courtemanche氏は、ソフトウェアコンサルティング会社であるWebcage社の創設者兼CEOを務めました。1993年から1996年まで、Courtemanche氏は、コンサルティング会社であるSkip Steveley&Associatesでソフトウェアエンジニアを務めました。

今後の動向

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プロコア社は今後に向けて①新規顧客の獲得②既存顧客からの支出増加③対象国の拡大④アプリマーケットプレイスの拡充を通じたプロコアエコシステム拡大という4つの目標を掲げています。上で述べたように顧客数、売上がともに高い成長水準を示している同社では、今後非常に積極的な事業拡大を行っていくことが予想されます。